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2012年 05月 21日
日本のあちこちで、太陽の存在を、
今日ほど意識したことはなかった、不思議な日。 それぞれの場所で、空を見上げたメンバーが、 絵本と共に、今宵も集まりました。 5月の大人 ( ) 絵本の会、はじまりです。 今宵お集まりくださったのは、Aさん、Nさん、Kさん、Mさん、Pさん。 何度かご参加くださった方ばかりでも、 初顔合わせとなることもあるのが、この会の不思議。 さてさて、どんなお話が伺えるでしょう。 - - - - - - - - はじめて訪れた小さな図書館で、 Nさんは、この絵本を手に取りました。 ![]() 『よぞらをみあげて』 ジョナサン・ビーン 作 さくまゆみこ 訳 ほるぷ出版 刊 「今日という日には、空の絵本がいいなぁ、と思って」 にっこり微笑む、Nさん。 絵の美しさに魅かれて、手に取った一冊だそう。 ねむれない夜。 夜の風に誘われて、女の子は屋上へ。 こっそり、毛布や枕も運び上げ、 月の光に照らされながら、夜空を見上げます。 静かにどこまでも広がる天空を眺めながら、 いつしか眠りにつく、女の子。 もうひとつ、この絵本の大きな魅力。 それは、お母さんの存在です。 屋上への 「大移動」 をはじめた女の子に気付きながら、 口をはさむことなく、静かに見守り続けるお母さん。 屋上で寝入った女の子の傍らには、 マグカップ片手に、夜空を見上げるお母さんの姿。 「屋上の解放感がいいですねぇ」 「季節は、いつなんだろう? 夏のはじまりの頃かな?」 「マグカップから湯気が出てるってことは、少し涼しくなりかける頃かも」 絵本をじっくりご覧になっていたMさんが、 素敵な思い出を披露してくださいました。 「3、4歳の頃、朝の5時頃に目が覚めてしまったことがあったんです。 家族はみんな、寝静まっていて、 室内は、朝の青白い空気に満ちていた。 ベランダから、非常階段を通って、外に出てみたり。 家族が起きてくる時間まで、ひとりで冒険したことが、 今も忘れられません」 冒険心あふれる子どもの気持ちと、見守る大人の姿と。 空を見上げながら、静かに読んでみたい絵本です。 - - - - - - - - Aさんは、エンデの絵本をお持ちくださいました。 ![]() 『まほうのスープ』 ミヒャエル・エンデ 文 ティーノ 絵 ささきたづこ 訳 岩波書店 刊 むかしむかし、高い山の両側に、 右の王国と、左の王国がありました。 それぞれの国に、王子と王女が生まれた時、 魔女は、ちょっぴりいじわるなプレゼントを贈ります。 片方の国にスープ鉢を、もう片方にスプーンを。 スープ鉢とスプーンは、一緒になった時はじめて、 魔法の威力を発揮して、永遠にスープをつくり続けることができる。 単独では、何の意味もない代物でした。 ふたつの国は、相手の国にあるものを手に入れようと、 愚かにも戦争をはじめます。 国は疲弊し、国土は荒れ、国民は苦しみはじめます。 両国の幼い王子と王女は、その時…!? 「エンデのイメージからすると、あれっと驚くようなポップな絵でしょう?」 そういえば、『モモ』 をはじめとする他の物語や絵本は、 どこか静かで、クラシカルな絵。 絵本と呼ぶには、文字量の多いこの本、 軽やかなこの絵に、助けられているかもしれません。 「大人の愚かさを、子どもたちは見抜いている」 この絵本に限ったことでは、ないような。 今を生きる子どもたちから、私たち大人は、 どのように見られているのでしょうね。 - - - - - - - - 久しぶりのご参加、Mさん。 「これは、絵を観察できる絵本なんです」 ![]() 『ぼくらの地図旅行』 那須正幹 文 西村繁男 絵 福音館書店 刊 ふたりの小学生が、地図旅行。 目指すは、海岸沿いの灯台。 地図を片手に、歩き出すふたりの旅。 しかも、頼みの綱の「地図」が、完璧ではなくて…!? 「子どもの頃に見た原風景に似ていて、懐かしい感じがして」 Mさんは、静かに語ります。 題名も思い出せないけれど、 とある町の一日を、同じ視点から描いた一冊の絵本が、 幼い頃、大好きだったこと。 著者・西村繁男さんの絵本、『やこうれっしゃ』 の雰囲気に魅せられ、 この 『ぼくらの地図旅行』 に、たどりついたこと。 なんの変哲もない絵の中に、 ちょっとした日常の風景が、細かく描き込まれていて、 読む者のこころを、掴んで離しません。 「我が家の子どもたちも、主人公になりきって、 いつも冒険しているんです。 いっしょにどこかへ行きたくなるリアル感が、ありますよね」 Pさんの言に、しばし、近くに灯台はあったっけ? という話に。 (結局わからずじまい…) 「名前のない山に、″かわいそうに、いっしょうけんめいたってるのに” ですって。 なんか、いいですねぇ」 じっくり絵本に見入っていらしたKさんが、ぽつり。 子どもの頃に出逢いたかった! と全員一致の絵本でした。 - - - - - - - - 「先月の会で、Nさんがお好きだとおっしゃっていた、 バーバラ・クーニーの絵本です」 Pさんが教えてくださったのが、こちら。 ![]() 『ルピナスさん』 バーバラ・クーニー 作 掛川恭子 絵 ほるぷ出版 刊 「今朝のさわやかな気分が、この絵本にぴったりきました。 ルピナスの花は、別名、ノボリフジと言うそうです」 ルピナスさんは、幼い頃、おじいさんと3つの約束をします。 世界中を旅すること。 海辺の家に住むこと。 そして、「世の中を、もっと美しくするために」 なにかをすること。 世界を旅してまわった、ルピナスさん。 体を痛め、休養を余儀なくされた時、 おじいさんとの約束を、思い出します。 そして、世の中を美しくするためにできる、 「あること」 を思いつき…!? 「人のためになることをしなさい、なんてよく言いますけど、 ″世の中を美しくするために″ というのに魅かれて」 クーニーの繊細な絵は、主人公ルピナスさんの感情までも、 細やかに描き出している、とPさんは語ります。 「ルピナスさんって、独立独歩の女性って感じですねぇ。 そういえば、日本にも70歳で女子校を創った女性がいましたっけ」 「無償で何かよいことをするっていう姿勢が、とてもアメリカ人っぽい行為ですね」 感想が飛び交う中、Mさんの思い出話、ふたたび。 「小学生の頃、通学路に延々と、親戚の田んぼや土地が続いてて、 こっそり、花の種を捲いて歩いたんです。 ここに、花が咲いてたらいいなぁ、って想像しながら」 Mさん、それは ゲリラ・ガーデニング そのものではありませんか! 数年前、通勤途中に突如出現した更地に仕掛けようかと、 スロウな本屋は、何度思ったことか。 (逡巡しているうちに、駐車場にされてしまいました…ああ)。 Pさんは、種爆弾の作り方も、ご存じの模様。 ゲリラ・ガーデニングという言葉自体が生まれるより以前に、 すでに実践なさっていたMさん、まぶしすぎます。 >> ゲリラ・ガーデニングについて、詳しく知りたい方は、こちら を。 世の中を美しくするために、あなたにできることは、どんなこと? - - - - - - - - 「朝、自宅を出る前に、慌ててこの絵本を選んだんですが…」 Kさんがお持ちになったのが、幼い頃読んだ一冊。 ![]() 『おしゃべりなたまごやき』 寺村輝夫 作 長新太 絵 福音館書店 刊 ある国の、ある王様のお話。 お城の中の、にわとり小屋。 王様は、ぎゅうぎゅう詰めのにわとりをかわいそうに思い、 にわとり小屋の戸を開けてやると、 にわとりが飛び出し、お城は大騒ぎ。 王様が、にわとりに追いかけられた! 誤解した兵隊たちは、犯人探しをはじめますが、 当然、みつかるはずがありません。 ごまかして、ウソにウソを重ねる王様。 しかし、夕食のめだまやきが、しゃべりはじめ、 そばにいたコックさんに聞かれてしまい…!? 「こんなお話でしたっけ? 純粋に愉しいけど」 「王様、赦されていいんでしょうかね? これが戦国時代だったら、コックさんも殺されちゃうんじゃない」 「大人になった今、読み返すと、 誰も見ていないと思っていても、 誰かが見ているものだなぁ、って思いました」 と語る、Kさん。 コックさんにばれてしまい、王様が 「はははは」 と笑ってごまかすところが 無邪気でいい、とも。 「あ、これ日食っぽい!」 誰かが指差した先には、美味しそうな目玉焼きの絵が。 - - - - - - - - 最後は、スロウな本屋から一冊。 気になって仕方ないのに、でも答えの出ない絵本。 ![]() 『かみさまはいる いない?』 谷川俊太郎 文 清川あさみ 絵 クレヨンハウス 刊 かみさまがいる (らしい) どこにいるのか かみさまはみえない でもどこかで かみさまはみている (らしい) ドキリとする真っ黒な背景に描かれる、鮮やかな絵。 目を凝らせば、刺繍で描かれたものだと気付き、驚かされます。 先日の 「フィールド オブ クラフト 倉敷」 の会場で、 この絵本をじっと見入っていた男の子が、 「お父さん! これ、糸じゃ!」 と叫んでいたのが、印象に残っています。 「神様って、こどもは最初関係なく生きてますよね。 どこかのタイミングで、大人が教えるんだ」 「昔は、お天道様が見てるよ、なんて言ったりもしたんでしょうけど」 谷川さんの鋭いことばが、突き刺さるように響きます。 かみさまはせかいがはじまるまえからいたのか かみさまはいまどこでなにをしているのか かみさまは もうなにもしていないのか せかいをこんなにゆたかにおりあげて もうすることがないのだろうか 谷川俊太郎さんの 「あかちゃんから絵本」 は、 谷川さんが、あかちゃんの気持ちになってつくった、絵本のシリーズ。 さまざまなアーティストとのコラボレーションもまた、 魅力のひとつです。 でもこの絵本を、あかちゃんに…? 大人に突き付けられた、問いのような気がしてならないのです。 参加者のみなさんの意見は? 「子どもに読んであげながら、読む側の大人に実は感じてほしいのかも」 「どこか、仏教的な感じもしますね」 「この黒が、宇宙に浮かんでいるかのような気分になります」 「はかない感じ。きれいなのに、どこか寂しい」 「最後の一文は、震災後だからこそ、出てきたことばかも」 誰かのことばに、うーむと、また考えてしまうのでした。 かみさまにせかいをまかされて にんげんたちはこまっている - - - - - - - - いかがでしたか? 日食の夜ならではのお話が伺えて、充実の一夜となりました。 ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。 そして、今宵もやさしく見守ってくださった cafe ahai さん。 ここちよい時間を、ありがとうございました。 大人( )絵本の会、これからもゆっくりと続きます。 2012年 05月 14日
![]() ハラハラ、ドキドキで迎えた、二日間。 たくさんの人の手をお借りしながら、 FOC文庫、無事開店できました。 ひとりじゃ、できなかった… 本を手にとってくださった、たくさんのみなさま、 近くの街から、遠くの街から、いらしてくださったみなさま、 本当にありがとうございました。 本を媒介に、たくさんの方と、 ことばを超えて通じあえたことは、何より嬉しい体験。 二日間限定のFOC文庫は、最高に愉しい本屋時間でした。 準備段階からご一緒してきた、実行委員会メンバーのみなさんの、 さりげないサポートの数々。 はじめての出展で、知らぬ間に緊張していたちっぽけな自分を、 あたたかく包み込んでくれました。 ![]() 小さなお客様からの、差し入れ。 FOC文庫ブースの裏で、摘んできてくれた花。 ありがとう! ありがとう! 100万回言っても、足りないくらい。 2012年 05月 11日
いよいよ、明日から 「フィールド オブ クラフト 倉敷」。
準備も大詰めです。 facebook、そして、公式HP上では、 作り手のみなさんのご紹介が、静かに熱く!?、続いています。 丁寧な文章から、気になるコト、モノ、ヒトは増えるばかり。 ワークショップ情報も、こちら にて。 2日間だけの本屋、「FOC文庫」 も、ひそかに宣伝活動をしております。 よかったら、ぜひ。 - - - - - - - - ご来場予定のみなさまへ。 当日、会場マップを、場内で配布しています。 ぜひ入手して、お目当ての場所、上手に探してくださいね。 今年の会場マップ、これまでのデザインを踏まえつつ、 とても使いやすくリニューアル。 デザイナーAさん、さすがのお仕事ぶり。 今年は、お弁当類の販売がありません。 まる一日愉しみたい方は、お弁当持参で、ぜひ。 倉敷駅周辺で、調達するのもよいですね。 会場内に、お弁当をひろげられる 「ピクニック広場」 ができますので、 ご活用ください。 ああ、店番を抜け出して、会場を歩きまわりたい… あぶない誘惑にかられる、今年の 「フィールド オブ クラフト 倉敷」。 ちゃんと店番してるかどうか、FOC文庫ブース、 チェックしにいらしてくださいね。 おだやかな天気で、ありますように。 倉敷で、お逢いしましょう! 2012年 05月 02日
とあるご依頼を、いただいた。
トラウマを抱えた、小学2年生の女の子に、 絵本を贈りたいのだけれど、と。 1年生の時に受けた、深刻ないじめが原因で、 一旦は、回復したかと思いきや、 巡りきた季節で、どうやら当時を思い出してしまったらしい、とのこと。 ちいさな女の子が抱えているものの、あまりの重さ。 大人だって、こころに傷を負った時、 自分で自分をどうしたらいいか、わからなくなってしまうというのに。 本来なら、この年齢の子どものこころは、 愉しいこと、素敵なことで、満たされていてほしいのに。 女の子のこころに寄り添うには、 どうアプローチしたら、いいのだろう。 依頼をくださったお客様に、数日の猶予をいただき、 選書の前に、少し勉強させてもらった。 ![]() 『子どもと暴力』 森田ゆり 著 岩波書店 刊 『子どものトラウマ・セラピー』 ピーター・リヴァイン、マギー・クライン 著 雲母書房 刊 虐待、体罰、いじめ、セクシュアル・ハラスメント、レイプ、 両親の間の暴力を目にする、といったことは いずれも暴力である。 こうした暴力の本当の残酷さは あざや身体的外傷ではなく、 被害を受けた人の心から自分への自信を奪い、自分の尊さ、 自分の素晴らしさを 信じられなくしてしまうことにある。 ( 『子どもと暴力』 より ) 女の子が、自分をまた信じられるように。 抱えているものを、うまく吐き出せるように。 いろんな想いをこめて、何冊か候補をピックアップし、 お話をしながら、依頼主に選んでいただいた。 じっくりと全ての絵本に目を通され、2冊を選んで行かれた。 この方が、女の子の発したサインに気付いてくださって、 本当によかった、と思った。 そして、いかなる暴力も許されるものではない、と強く思った。 女の子に、また笑顔が戻りますように。 新緑を見上げ、大きく深呼吸した。 2012年 05月 02日
雨の中、出かけてみて正解。
岡山県人たるもの、雨の日は出かけてはならぬ、らしいのです。 ってことは、失格…!? ![]() ひと部屋ごとに個性的な出展が、ずらり続く廊下。 覗き込むワクワク感。 これって、どこかで体験したような…? 歩いているうち、あっと気付く。 巨大な アドベントカレンダー の中に、今、いるのだと。 期間限定のcafeでは、のらくら堂 さんのお菓子も。 ドキドキ、ブラブラしていたら、 期せずして、探していたあるものに…。 ri cycle キミドリ さんにて、5月6日(日)まで。 2012年 05月 01日
![]() 日 時: 5月21日(月) 18:30~ 場 所: cafe ahai 岡山市北区中山下1-7-1 篠原ビル2階 中央郵便局から、柳川交差点方面へ 向かって徒歩1分 参加費: 無料。1ドリンク要オーダー(実費)。 定 員: 6名 < 残席1。キャンセル発生につき、空席あり> ご予約は、メールにて受付中。 oguram★diary.ocn.ne.jp (★を@に変えて、お送りください) - - - - - - - - 前回の様子は、 こちら にて。 はじめましての方も、いつもの方も、 お気に入りの一冊をかかえて、お集まりください。
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