|
|
2012年 01月 20日
2012年の大人 ( ) 絵本の会、はじまりの日。
今年は、どんな方にお逢いできるだろう? ドキドキワクワク、待ちに待った日。 おいでくださったのは、はじめまして! のNさん。 お久しぶり! のEさん、そしてTさん。 さて、どんなお話が飛び出すでしょう? - - - - - - - - 「モンゴルのお話を探していたら、この絵本に出逢いました」 そう語るEさんのお話で、今宵はスタート。 お持ちくださったのは、この絵本。 ![]() 『おかあさんとわるいキツネ』 イチンノロブ・ガンバートル 文 バーサンスレン・ボロルマー 絵 つだのりこ 訳 福音館書店 刊 モンゴルの北の森。 トナカイの世話をするお母さん。 遊牧民の親子が暮らすテントの近くには、 あかちゃんをねらう、悪いキツネ。 我が子を守ろうとする、お母さん。 あかちゃんの顔に墨で髭を描いて、ウサギに見せかけたり、 トナカイの毛皮の服を着せて、トナカイのふりをさせたり。 「動物と人間の、知恵比べなんですよ」 ある日、ついにキツネは、あかちゃんをさらってしまいます。 お母さんは、キツネを追いかけます。 大きなトナカイに飛び乗って…! さて、あかちゃんの運命は? くっきり澄みわたる空の青と、雪山の白。 雄大なモンゴルの自然が、美しく描き出された絵本。 それにしても、Eさんはなぜ、モンゴルのお話をお探しに? 「馬頭琴 のコンサートが、きっかけだったんです。 地元の子どもセンターで開催されたんですが、 息子が、まもなく 『スーホの白い馬』 を学校で習うところだったのでね」 馬頭琴と ホーミー を、ひとりで奏でていたというそのライブ。 演奏と共に、モンゴルについてのお話も、あったのだとか。 Eさんは、すっかり魅了されたようです。 「遊牧民の生活には、まったくムダがないんです。 飼っていた動物が亡くなれば、その骨まで余すところなく使います。 馬頭琴だって、弓と弦には馬のしっぽの毛が使われているし、 皮だって、使われているんじゃないかな。 人間の暮らしがね、動物と、つまり自然と一体化しているんです」 確かに、絵本の中でも、人間がトナカイのミルクを絞り、 キツネが、人間をあかちゃんを狙っていて…。 「コンサートの会場が、実は古民家だったんです。 築100年を超える古い家屋の中で、 年代物っぽい民族衣装をまとった奏者と、 これまた年季の入った馬頭琴。 きらびやかなものなんて、何にもないのに、 聴いている内に、不思議とこころが満たされていって…」 「普段、ストレスを感じると、買い物でストレス発散しよう、 と思って、出かけたりするんです。 それでスッキリするか、というと、あれ? と思うことも多くて。 だからこそ、馬頭琴のライブでの体験が、とても新鮮で」 馬頭琴の調べ。 モンゴルの大自然、そして母親の大きな愛。 行ったことはないモンゴルの大地に、想いを馳せながら、 ゆったりおおらかな気持ちになりました。 - - - - - - - - 「毎月1冊、本を届けてもらう、ブッククラブに入ってまして」 初登場のNさん。 ブッククラブで送ってもらった素敵な絵本を 一冊、教えてくださいました。 ![]() 『マルスさんとマダムマルス』 ささめやゆき 作 出版工房原生林 刊 <絶版> ノルマンディの小さな村。 村に一軒だけあるカフェの2階で、 1年間を過ごした画家サリュー。 大家のマルスさんに、料理好きのマダムマルス。 画家が出逢った、村の人々とのやさしい日々が綴られた、 小さな絵本です。 「絵が、大人向けって感じですねぇ」 どこか、さびしげな雰囲気を漂わせつつも、 あたたかみのある、ささめやゆきさんの絵。 まさにこれは、大人のための絵本。 「ブッククラブって、何歳コース、みたいに年齢別のはよくあるけれど、 これは、大人用のコースなんですか?」 みんな興味津津のブッククラブ。 なんと、Nさんが利用されているのは、 ひとりひとりに、オーダーメイドのように選んでくれるものなのだそう。 「はすれはないの?」 事前に簡単なアンケートをするほか、 毎回のお届け時に、感想や希望を伝えると、 次から、それが反映されていくのだとか。 「自分では、決して選ばないだろうなぁ、っていう絵本や読みものが届くのが、 新鮮で、そして嬉しいんです」 Nさんご自身は、大学図書館に勤務され、 普段は選んであげる側。 だからこそ、選んでもらえる嬉しさは、ひとしお。 「仕事をはじめたばかりの頃、学生さんから、 『おすすめは?』 と聞かれて、どうしたものか、と思ったことがあって。 自分が読んだものじゃないと、自信を持って勧められない」 「私も、学生から 『なんか読むものない?』 ってよく聞かれますよ」 笑いながら話すTさんは、高校の図書館にお勤めです。 「目の前は、たーくさんの本なんですけど…ね。 私の場合、つい自分のおすすめを押しつけちゃって、 なかなか興味を持ってもらえない」 書店員も、日々お問合わせに四苦八苦しておりますが、 Nさんのブッククラブのように、相手の気分や気持ちに寄り添える、 そんな選書ができたらなぁ。 Tさんと、しばらく見つめ合ったことでした…。 大学図書館に、いつかNさんおすすめの本コーナーができるかな。 できたら素敵ですね。 - - - - - - - - 「実物は、見たことないんですけれど…」 Tさんが紹介して下さった絵本は、こちら。 ![]() 『紙しばい屋さん』 アレン・セイ 作 ほるぷ出版 刊 久しぶりに仕事に行くことにした、おじいさん。 おばあさんは、それじゃあ、と、 手作りのお菓子を、たっぷり用意します。 自転車に大きな荷物を乗せて走りだす、おじいさん。 到着した街は、すっかり様変わりしていました。 変化のあまりの速さに、寂しさを感じながらも、 おじいさんは、自転車をとめ、準備をはじめます。 そう、おじいさんは、紙しばい屋さん。 紙しばいをはじめると、思い出がさまざまに蘇ります。 テレビが普及しはじめてから、見向きもされなくなった紙しばい。 あの頃、毎日集まっていた子どもたち。 最後の紙しばいとなった、あの日のこと…。 紙しばいを読み終えたおじいさん。 ふと気が付くと、その周りには…!? 「私自身、リアルタイムで紙しばい屋さんを見たことは、ないんです。 でも、だからこそファンタジーとして、すうっとこの世界に入っていけました」 実物を見てみたかったなぁ、という意見続出の紙しばい屋さん。 実は、こんなところ で細々とやっておりますので、 よかったら、ご利用くださいませ…。 「直接体験してはいないのに、 おじいさんの気持ちに、寄り添える絵本ですね」 「絵が、本当にすばらしい」 なぜ、この絵本を?という質問に、Tさん。 「絵、でしょうか。印象的で、気になって仕方ない。 以前働いていた図書館でも、今の職場でも、 かならず誰かが、表紙が見えるように平置きするのが、 この絵本なんです」 テレビやゲームでは、決して伝わらない、ひとのぬくもりが、 紙しばい屋さんには、あるような気がします。 大切なものは、失ってからでないと、 気付かないのでしょうか? それとも、今ならまだ、間に合うのか? - - - - - - - - 「文字のない絵本なので、じっくり絵を ”観て” いただきましょうか」 スロウな本屋からは、この一冊。 ![]() 『アライバル』 ショーン・タン 作 小林美幸 訳 河出書房新社 刊 旅立つ父親、見送る娘と妻。 上空を覆う、気味の悪い影。 父親が辿りついたのは、「摩訶不思議」 ということばがぴったりの国。 動物も、食べものも、ことばも、ひとびとの生活習慣も、 ありとあらゆるものが、なんとも奇妙で奇怪。 セピア色の、緻密で美しい絵から、 父親の不安と心細さが、より一層読む者のこころを締め付けます。 不安げな主人公の表情が、少しずつ和らいでいく頃…!? 分厚い絵本。 ”観” 終えると、みな、ふうーっと深く息をつきました。 良質の映画を一本観たかのような、充実感と、ここちよい疲労感。 言葉を介さず、読む側のイマジネーションで、 如何ようにも読める絵本。 スロウな本屋が、この本をはじめて手に取ったのは、昨年。 3月11日から、まだ数日、という頃でした。 冒頭に出てくる、街を覆う不気味な影が、 当時 (そして、今も…)、福島で起こりつつあった現実と、 オーバーラップして見えました。 その時の衝撃は、今も鮮明に覚えています。 奇しくも今日、職場の書店で毎年恒例の 「キノベス」 が、 今年も発表になり、この絵本が上位にランクイン。 オールジャンルでの投票で、絵本がこんなに上にくることなんぞ、 なかなかないので、尚のこと嬉しい。 昨年末のMOE絵本屋さん大賞でも、実は私、この本に一票を投じております。 同じ想いで、この絵本を推した書店員が、 全国にこんなにいたことが、何より嬉しく。 そんな書店員の想い、棚を通じて汲み取ってくださった方が、 たくさんたくさん、いらしたのだろうなぁ、と思うと、 不思議と勇気づけられるのでした。 この絵本の持つ魅力と共に、個人的にも忘れられない一冊に。 さて、あなたはどんな風に、読みとりますか? - - - - - - - - いかがでしたか? 「大人のための絵本って、本当にあるんですね」 誰かのことばが、こころに残りました。 初参加のNさんも、愉しんでいただけたようです。 「ブッククラブ同様、自分では選べない本を教えてもらえたことが、 とても新鮮でした。 読みきかせをしてもらったことも、懐かしい感覚…」 ご参加くださったEさん、Tさん、そしてNさん、 愉しい時間を、本当にありがとうございました。 またのお越しを、お待ちしております。 素敵な時空をご用意くださった、cafe ahai さん、 今宵もありがとうございました。 大人( )絵本の会、ではまた来月! 2012年 01月 10日
封筒再生委員会から、
2012年最初のワークショップ、ご案内です。 封筒再生委員会って何? と思われた方は、こちら へどうぞ。 捨てられる運命にあった封筒が、 世界でひとつのオリジナル封筒に、生まれ変わります。 封筒を開いて、型をとって、アレンジを考えて…。 裏返すだけではない、封筒再生を 「愉しむ」 技、伝授いたします。 ![]() ちいさなピカソのみなさーん! 封筒に、絵を描いてくれませんか? これがまた、大人がほれぼれするくらい、 素敵な封筒ができると、評判です。 親子合作 or 競作も、よし。 大人の技を見せ付けるも、よし。 ピカソにはかなわない、と実感するも、またよし。 小さな方も、大人の方も、 手を動かして、愉しいひと時、ご一緒いたしましょう。 - - - - - - - - 日時: 2012年2月4日(土) 13:30 - 15:30 場所: ふれあい交流拠点 「くるみの森」 〒705-0001 備前市伊部1455 参加費: おひとり 200円 プラス 施設使用料 100円(ひと家族につき) 持ち物: はさみ、のり 定員: 10組 (対象年齢 乳幼児~大人まで) <お詫びと訂正> 参加費の記載に一部誤りがあり、1月11日 訂正しました。 - - - - - - - - お問合せ、お申込みは、こちらまで。 ふれあい交流拠点 「くるみの森」 TEL & FAX : (0869)64-0087 2012年 01月 03日
大人 ( と ) 絵本
大人 ( が ) 絵本 大人 ( の ) 絵本 大人 ( にも ) 絵本… ( ) に入れたい文字は、何ですか? こんな問いかけではじまった、大人 ( ) 絵本の会。 毎回、( ) に入れたい文字が、変わっていく不思議。 2012年も、いろんな方と、 slow な時間をご一緒できれば。 お気に入りの一冊を抱えて、お集まりください。 - - - - - - - - ![]() 日 時: 1月20日(金) 18:30~ 場 所: cafe ahai 岡山市北区中山下1-7-1 篠原ビル2階 中央郵便局から、柳川交差点方面へ 向かって徒歩1分 参加費: 無料。1ドリンク要オーダー(実費)。 定 員: 6名 - - - - - - - - ご予約は、メールにて受付中。 oguram★diary.ocn.ne.jp (★を@に変えて、お送りください) - - - - - - - - 前回の様子は、 こちら にて。 はじめましての方も、いつもの方も、 ご参加、お待ちしております! 2012年 01月 02日
しごとはじめの朝。
金色の朝日と通り雨とが、同時にやってきた。 家を出る頃、雨は上がり、 いつものように、自転車を走らせる。 ふと見上げると、空には虹。 なんだか素晴らしい一年の予感。 はじまりの日。 新しい年は、どんな一年になるだろう。 どうぞよろしくお願いいたします! 東の空は、日の出をまってはれてきました。 太陽はいま、あがろうとするところです。 数分のうちには、夜はおわり、 なにもかもが、またはじめからはじまるのです。 あたらしい門のとびらがひらかれます。 不可能を可能にすることもできます。 あたらしい日がはじまるのです。 そして、もし人がそれに反対するのでなければ、 どんなことでもおこりうるのです。 ![]() 『ムーミンパパの思い出』 ヤンソン 著 小野寺百合子 訳 講談社 2011年 12月 30日
1年の締めくくり。
テレビの締めが紅白なら、児童書売り場の締めは、これ。 ![]() MOE 絵本屋さん大賞! 全国の書店員による投票で決まった、今年の絵本ベスト30。 毎年感じる、充実&納得のラインナップです。 児童書担当者の熱い想いは、 それぞれの絵本の推薦コメントに、込められて。 やっぱりこう来たか、の絵本。 えっ、こんなに高順位? の絵本。 さて、今年の1位は、どの絵本でしょう? そして、あなたにとっての今年のベスト絵本は? ここ岡山には、本日、年内最終便の荷と共に到着した、 『月刊MOE』 最新号。 お近くの書店で見かけたら、ぜひお手にとってみてください。 私の推薦コメントも、2か所に紛れ込んでおりますゆえ、 お正月休みの気晴らしにでも、よかったらお探しくださいませ。 今年も、本を通じて、たくさんの素敵な時間を過ごせたことに感謝。 新しい1年も、素敵な方と、素敵な絵本に出逢えますように。 よいお年を! 2011年 12月 27日
今年はどんな年だったろう。
いいことも悪いこともあった、 うまくいったことも、失敗したことも、 まったく変わらないこともあれば、 大きな変わり目もあった…。 やっぱりひと言で言うのは難しいねぇ。 だいたい一年をひと言で言い切ろうって根性が野暮じゃないの。 だって、いろいろあるのが暮らしてくってことだもの。 ![]() 『浮世女房洒落日記』 木内昇 著 中央公論新社 刊 年始にゆっくり読もう、と思ってたのに、 あんまり面白くて、あっという間に読んじまった。 口調まで、なんだかうつってしまったよ。 江戸は神田。 小間物屋の女房による、本音満載の日記。 亭主に愛想をつかし、家計は火の車。 それでも春には一張羅で花見としゃれこみ、 美顔の探求にも、余念なし。 ガイドブック片手に、新しくできた甘味所もしかとチェック…。 今も昔も、人間のやることなんて、変わりやしない。 泣いて笑って、あっけらかんと生きる、江戸の粋。
|